本記事では、

  • トレーニングの3原理と5原則について
  • 目的と動機を明確にしていく重要性について
  • 確実に効果を出すためのポイントについて

二の腕

トレーニングをしようと考えたときには、みなさん何かキッカケがあったと思います。

  • 最近お腹が出てきたから引っ込めたい
  • 大きな病気にならないように運動しよう
  • キレイな身体を作りたい
  • 身体のダルさが目立つようになってきた など

 

人それぞれキッカケがあり、これがまずトレーニングをする目標になるわけです。しかし、トレーニングをしているうちに目標がブレてしまっては、いけません。「正しい目的を持つことは、正しい方法で行うのと同様に重要」と言われています。目的に応じて適した方法があるのですが、最低限のトレーニングの原理・原則の知識をもっておくことは、目標達成の条件と言ってもよいと考えられます。

目標を明確にした上で、

  • 種類(一人でする?トレーナーをつける?レッスンに参加する?)
  • 負荷量
  • 回数
  • 時間
  • 頻度(1日どれくらい?1週間に何回?)

などを計画して実施していくことになります。

現代ではスロートレーニングなど低負荷のトレーニングが注目されていますが、基本的に処方されている運動の基礎となる理論に大きな違いはありません。

私も高負荷トレーニングを勧めることはまずありません。もし筋骨隆々な身体を作る場合は、栄養摂取と高負荷のトレーニングが必要になるかもしれませんが、筋肉も鎧となります。重くなって身動きが取れなくなります。バランスの悪い身体は、将来的には自らを苦しめることとなりかねません。

何事もはじめてやる時は、基本的な理論に則ってやることが成功への近道です。知識がついてくればオリジナルなものとしていくと良いと思います。そこで今回はトレーニングにおいて、基本とされている3原理と5原則について解説していきたいと思います。

  • すでに運動に取り組んではいるが、思ったような効果が得られていない方
  • これから運動をはじめる方
  • 実際に指導されている方

もう一度振り返ってみるのはいかがでしょうか。

トレーニングの3原理

高齢者においても基本的にトレーニングの原理に変わりはありません。しかし、高齢者の場合、身体機能の低下が大きいことが多いため、少しずつステップアップしていく必要性や運動による副作用にも細心の注意を払いつつ実施する必要性があります介護認定を受けている方で複数の疾患を持っておられる方が多いので、さらに注意が必要になります。

トレーニングには3つの原理というものが存在します。

  • 過負荷の原理
  • 可逆性の原理
  • 特異性の原理

では、順に説明していきます。

過負荷の原理

日常で行っている程度の運動(歩行や立ち座りなど)では、筋力向上はしません。日常生活動作による筋肉への負荷を越えるような刺激を与えないと筋力は上がらないという原理です。

(※歩行や立位保持が、日常生活上の負荷を越える方(寝たきりの方など)では、筋力は向上する可能性はありますが、ずっと同じ立ち座りを繰り返していても、一定水準以上は向上しません。)

理解のポイント

  • 日常生活上の身体活動よりも強い負荷を加えないと効果が出ない
  • 強度が強すぎる場合は身体を痛めるが、弱すぎる場合はこの原理に反する
  • トレーニングの負荷=強さ、反復回数、持続時間で求められる(※強度・回数・時間の3要素が十分な時に効果が得られるます)
  • 一般的に筋力向上には最大筋力の40%以上の強度が必要とされる

可逆性の原理|貯筋は大切

一定期間トレーニングしてもトレーニングを止めると得られた効果も失われてしまいます。

また運動をした期間が短いほど、運動効果は早く消失するとされ、急激なトレーニングよりも徐々に計画されたトレーニングをすることにより効果が期待されます。低負荷でも継続することの重要性がこの原理で示されています。

理解のポイント

  • トレーニングにより得られた効果は、トレーニングを中止すると徐々に消失する
  • トレーニング期間が長ければ、失われていく速度もゆっくりとなる(下図参照)
    (※日常生活で、軽負荷の運動習慣をもつことが大切な理由

高齢者のトレーニング効果

特異性の原理

トレーニングの効果は、刺激された部位にしか効果があらわれません。(※スクワットをして、二の腕が引き締まることはない)

目的に合わせてトレーニング内容を計画する必要があり、トレーニング方法がその目的に適っているかを再度検討する必要性があります。また適切な方法で実施できているかを常に意識する必要性があります。

理解のポイント

  • トレーニング効果はトレーニング内容により特異的に向上する(腕のトレーニングでは、脚の力はつかない)
  • トレーニングした部位や、動作に対した効果しかない(筋力増強は強い負荷、持久力向上には持久的運動が適しているという意味)

(※上記の事から、日常生活機能を維持するためには、必要とする動作と類似したトレーニングを組み合わせていくことが必要ということがいえます)

トレーニングの5原則

上記の3つの原理と同様に5つの原則が存在します。筋力トレーニングにおける基本的な考え方なので、常に考慮した上で運動/指導をする必要性があります。

  • 漸進性の原則
  • 全面性の原則
  • 意識性の原則
  • 個別性の原則
  • 継続性・反復性の原則

では、5原則を順に説明していきます。

漸進性の原則

筋肉は、筋力の向上の経過とともに、トレーニングの強度を段階的に増加させていく必要があるという原則です。一定水準の体力を獲得すると、同じ負荷ではそれ以上の効果が得られなくなる為、負荷を徐々に増加させていく必要があります。

理解のポイント

  • 負荷は少しずつ増加させていく必要性がある。(過負荷の原理と類似)
  • 身体能力に合わせた負荷を加えず、弱い刺激のままでは筋力増強効果が得られない(評価が必要)
  • 「維持」or「向上」なのかの目的を明確にさせておくことが重要
  • 目的以上の効果は出ない

全面性の原則

体力要素(有酸素能力、筋力、柔軟性など)の1要素ではなく、複数の要素のバランスを考えてトレーニングしていくことが重要という原則です。

理解のポイント

  • 偏った身体能力では、怪我のリスクやパフォーマンス低下のデメリットがある
  • 腕だけを鍛えるのではなく、全身とバランスを考える
  • ウォーキングだけよりも、少し筋トレを加えたほうが効果的
  • 偏りのあるトレーニングは、継続せず結局元に戻る(可逆性の原理に類似)

意識性の原則

トレーニングの目的・効果・方法を理解した上で、自らの意志でトレーニングをすることで効果が向上するという原則です。またどの部位に刺激を与えているを意識しながら実施することも重要です。

理解のポイント

  • 目的志向的トレーニングをする
  • トレーニングの動機も明確にしておく
  • 運動習慣のない方には、特に重要な原則
  • 肉体の意識化により、脳に正しい情報を送る

個別性の原則

年齢、性別、動作の特性などを考慮し、他人と争うことなく実施できるプログラムを作成する必要があるという原則です。目的が異なるので他人と争っても意味がありません。常に自分の目標と対峙し、個別性の高いプログラムによってトレーニング効果を引き出すことができます。この原則により、知識がなければ指導を仰ぐ必要性があるということになります。

理解のポイント

  • 効率的な成果を得るには個別プログラムが必要
  • 疾患のある場合は、安全性の点からも個別プログラムが必要
  • 目的、動機を常に意識するという意味からも個別プログラムが必要

継続性・反復性の原則

一定期間以上トレーニングをしなければ効果は得られないという原則です。トレーニング効果を実感するためには、少なくとも3ヶ月継続する必要があります。1回で効果が出るような速効性はトレーニングはありません。一時的な変化(ウェストを細くするなど)を生み出すことは可能ですが、「可逆性の原理」から意味があると思えません。

理解するポイント

  • 運動の方法よりも一番重要なのは、継続すること
  • 継続に向けて、目的、動機を明確にしておく
  • セルフフィードバック(体重、体脂肪等)できる仕組みづくり
  • 励まし合えるような環境づくり(高齢者の自助、互助関係の構築)

(※自助力については、以下をご参照下さい)

まとめ

  • トレーニングは継続が一番重要
  • トレーニングへの動機と目的を明確にしておくこと(コミットしていくこと)
  • 投げ出したくなった時は、動機と目的を振り返る
  • サポーターには、原理を理解した人を選ぶ
  • 継続するためにたまにリフレッシュ