2025年、高齢者人口のピークを迎えるにあたり、病床数の増加を防ぐことは1つの課題とされています。

統計上、約30万人は医療施設ではなく地域のなかで生活していくしか選択肢はない状態になります。ますます地域医療サービスの充実、医療ー介護間の関係者が互いを知り、協力していけるかというのが鍵になってきます。

国の取り組みの一つとして地域包括ケアシステムの構築があります。

情報共有システムの構築は急務です。カルテの電子化もやっと定着してきましたが、より簡便に共有できるシステムがないと充実したサービス提供は難しいと考えられます。

いまだにFAXに頼っていたり、郵便などアナログなものでないと受付ができない現状があり、無駄をなくしたスピード化を安全に実施していくためにもICTの活用は必須になることは間違いないでしょう。

生き方の選択

できることなら「住み慣れた地域で、自分らしく暮らしていきたい」と考えるのが一般的かと思います。しかし社会的な問題であったり、経済的な事情によりそれが叶わない場合が多々あります。

無事自宅に退院したとしても、

・階段の傾斜がきつい

・玄関に手すりが必要

・家族が日中はいない などの多くの課題により

☆自宅で生活することが最良なのか?

☆ある程度環境が整った施設に住むほうが良いのか?

ということを個別に考える必要性がでてきます。利用できる資源で課題を解決できるかどうかを計画して運用していくことが今後求められてきます。

在宅でひとり暮らしをする高齢者がいれば、看護師の定期巡回サービスなども必要になるかもしれません。しかし、1人でいる時間も長くなります。昔であれば地域の繋がりが強く、互助関係が強く、地域の目というものもありましたが、

・近くに知り合いがいない

・知っている人は皆亡くなってしまった

と希薄な地域関係も認められます。この問題に対して、公助介入による地域の繋がりを作る活動もされていますが、すぐに効果がでるものではありません。

在宅医療=安価

在宅医療は安価であるという考え方がありますが、確かにと思わざるを得ない気もします。

大掛かりな施設を作るよりも、在宅支援サービスに公的な支援を加える方が国の費用としてはよっぽど安価かもしれません。しかし、通院などの移動費用などで高額になる場合は例外ですが、30万人が入所できるような施設を建設できる予算もありませんし、一旦高齢者人口は増加しますが、そこから人口減少社会に突入していきますので、建物の有効活用法があまりないといったところも真実ではないかと思います。

2025年はもうすぐですので、施設計画は間に合いそうにもありません。地域包括ケア等、地域が強く強調されているので、地域で支える時代になるのは間違いないのでしょう。

よって、地域における効率的なサービス提供の仕方を工夫していく方が建設的な考えになります。人のできることは限られていますので、ICT活用が必須になります。その利用方法や範囲も緩和していかなければ現場が非常に困る事態になってきます。

医療ー介護の連携効率化

チームとして包括的なケアを提供するために、お互いのことを理解することが必要です。専門職も重要ですが、もっと重要なのは相手の立場もしっかりと理解できる人がリーダーとならなければ話になりません。

急性期病棟の医師や看護師が介護保険制について知ることも必要

☆ケアマネージャーやヘルパーが医療制度や関連職の職域専門性を知ることも必要

橋渡し的役割になる、訪問看護のスタッフが機能するには上記は必須事項です。

訪問看護ステーションに依頼がくるケースでは、ケアマネージャーから退院前や医療の話になると、「私は全然わからないから、まかせますね」とか、放置されることが意外と多いのです。元看護師のケアマネージャーであれば、医療ー介護のことを熟知しているので、役割分担も言葉にせずとも自然と効率的に働きます。

各専門職や医療のことに理解のある人がケアマネージャーであればとても円滑にすすむイメージもありますし、利用者も相談しやすい様子です。

相手の立場を理解する重要性は以下をご参照ください。

 

患者と障がい者の切り替え

リハビリテーションにおいて、ゴール設定は必須です。進むべき方向性がないので、到達することも効果的な介入を実施することは不可能でしょう。

患者とは、

病気やけがの治療を受ける人。 

引用:コトバンク

 

障がい者とは、

身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があり、障害および社会的障壁によって継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受ける状態にある人

とされます。

医療保険・介護保険制度の施行によって、”患者”と”障がい者”の切り替えが不明確になり、患者のままいつまでも治療を受け続けていくという現状となってしまっています。介護保険制度施行以前の方が境目は明確でした。

 

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「してもらう/あげる」リハビリテーション

上記の”患者”と”障がい者”の切り替えが不明確になり、いつまでも治療を受け続けることでリハビリテーションにおいても”医学的に治す”リハビリテーションと”生活を支える”リハビリテーションの区別も明確でなくなり、患者側も「してもらう」、セラピスト側も「してあげる」リハビリテーションが現在でも染み付いており、日本中で行われています。

セラピストも対象者の尊厳回復を機能や行為で回復しようとしますが、自助の再構築が、QOL向上につながると考えます。

 

生活を支えるリハビリテーションも、自宅内動作をひたすら反復してやるだけのものではありません。大きな勘違いです。まずその人自身と家庭をしっかりとアセスメントしない限りは不可能なリハビリテーションで、医学的リハビリテーションとは異なった難しさがあります

より相手のことを深く知り、価値観や心にも触れる必要性がありますので、在宅リハビリはとてもやりがいの大きい分野であると思っています。

生活を支えるリハビリテーション

行政を含めた社会的なバリア、本人の意思、家族、様々な問題をともに乗り越えていくことが生活リハビリテーションの醍醐味だと感じています。それも病院での各期(急性期、回復期・・・)の専門職の理解があって、だれもが自己中心的にならずに、ひたむきに患者に関心を示し、理解を深めていくように努力することによって、解決していける課題だと思います。

リハビリテーション場面で、自分の想いや意見がうまく伝えられないことはとても多く感じます。そんな時は一旦原点に戻って、

☆利用者が何を期待しているのか?

☆どういう心理状態にあるのか?

を考え、目標を見つけ、手段の選択肢を提示して利用者の意思で選んでもらうことでも自助を育てていけるます。利用者を含めた接し方が理想だと考えています。

当たり前のことのように聞こえますが、意外と利用者自身を置き去りにしているケースは多いです。利用者と一緒に自身の尊厳を自らの手によって再獲得ができるリハビリテーションを提供していきたいと思います。

 

◇新たな目標を設定し、現在地は見失わずに横で歩き続けることができるセラピストが理想的だなと思っています

まとめ

・在宅は決して安価ではない

・各専門職が相互理解し、協力関係を築くことが必須

・専門職が本来の力をだせる役割に従事することが重要