これからの理学療法士に求められる能力

医療従事者が勤務する現場は多岐にわたっています。以前は病院勤務が当たり前でしたが、地域や一般企業で勤務する医療従事者も増加しています。

少子高齢化の現代社会において、地域包括ケアの構築の重要性が言われていますが、その中でも特に理学療法士をはじめとする療法士の役割が重要視されています。

 

地域においては、専門性から”作業療法士”が適任かと思われますが、日本においてはセラピストの役割だけにおさまりませんが、

区別、線引が曖昧で、なんだかんだで数で勝る”理学療法士”が今後も地域社会において重宝されると思われます。

その中でも療法士に必要とされているのが”マネジメントスキル”です。

マネジメント=管理

管理とは、

管理
administration; management

一定の協働目的を効果的,能率的に達成するために,協働体系そのものの維持発展をはかる機能。通常は協働体系一般ではなく,定型的に確立された組織体について語られる。すなわち組織体の目的活動を推進するには,人員,物品,資金,情報などの諸資源を調達し,それら資源を合理的に配分,活用するための諸制度 (組織,人事,財務,文書) を整備するとともに,目的活動に直接かかわる企画および評価機能の充実をはからなければならない。これらすべてが組織体の管理であるが,最近では個々の組織体をこえた広範な政治社会の統制機能を論じる際に問題とされることも多い。

ブリタニカ国際大百科事典

また協働とは、チーム・団体・複数の人間が共通の目的に向かってそれぞれの得意分野(専門性)を発揮して事に当たることを指します。

 

私自身複数の立ち上げ参加し、地域リハの現場でも働いていました。現在もプレイングマネージャーとしても勤務している立場から記載したいと思います。

 

専門性✕人間力✕社会人力

企業が運営する訪問看護に勤務していて、特に強調して求められるのが”社会人力”と”人間力”があります。社会人力と人間力の明確な区別はあまりなされていない様な印象ですが、私的な理解を記載させていただきます。

専門性

については、医療従事者であればあらためて詳細を記載する必要もないと思いますが、「特定の分野に関する高度な知識と経験」とされます。専門職として働く技術者にとっては、全ての土台となる能力。

社会人力

人間力の中に包括される1能力ともされる。社会人基礎力。組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力とされます。”アクション” ”シンキング” ”チームワーク”の3能力が代表とされ、さらに12の能力要素から成り立つとされる。(経済産業省)

人間力

自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力

在宅現場で求められる専門性

専門力=信頼

特に在宅現場では、

・生活上の不安のある方に、その方の生活が快適に過ごせるよう、一緒に考え、取り組み、不安を解消していく

・的確な生活指導

・的確な住環境の提案

が求められています。

リハビリテーションの目的として、QOL向上が求められますが、人それぞれ異なる価値観があるので、決まった方法はありません。その方に合った方法に柔軟に変更することのできる、”即興性”も重要です。これは経験と読み替えることができるかもしれません。

例えば:動作方法レパートリーを多くもつ

専門性はすべての行動、指導において土台となるものですので、現職で求められている分野を日々研鑽を続けていく以外に向上する方法はありません。また療法士はリハビリテーションについては詳しくても、病気のことであったり、基礎医学的な知識が乏しいので、臨床に出てから、医師・看護師・薬剤師等の専門職と協働して働いていく為に収集していくことが必須となります。

専門性を向上する方法

コツコツと研鑽する以外にありません。

 

それをうまく伝える能力ももちろん必要ですが、その基礎となる専門力といわれる”中身”がなければ伝わることも伝わりません。伝える力、コミュニケーション力も専門力の一部かと思われますが、今回は”社会人力”の中に含めさせていただきたいと思います。それぞれを明確な線引をすることは困難です。それぞれがうまくが絡み合って、自身が価値を生み出すものだと思います。

 

〜常に創造的な自己否定を繰り返していく〜

ありがとうございました。

K