本記事では、以下の内容を紹介しています。

  • マインドワンダリングについて
  • 宇宙飛行士はストレス・コーピングの達人?
  • 日常でできるストレス・コーピングのすゝめ
  • マインドフルネスのやり方

マインドフルネス

2種類の慢性的ストレス

慢性的なストレスは2種類に分けられます。

  • 頑張るストレス:心臓血管系など『体』の反応。例:なんとか仕事を終わらせないと…アドレナリンの放出
  • 我慢するストレス:落ち込み、不安など心の反応。嫌な上司と顔を合わせる、叱責…コルチゾールの放出

(※ストレスによる身体の反応については、以下をご参照下さい)

マインドワンダリング

目の前の現実に対してではなく、過去や未来に想いを向けてしまうこと

過ぎてしまっていることを考え、悪循環に陥ってしまいます。客観的な過去の事実は変えることはできませんし、未来を予知することもできません。どうすることもできない現状でもがくことで、どんどんと苦しみの連鎖に迷い込んでしまいます。

(※しかし主観的な過去は変えることができます。それは後で記載します)

マインドワンダリングは、意識の暴走とも言われ、様々な方向に反射的に思いを馳せてしまいます。自分の心が結びついた対象を深追いすることで、さらに連鎖に巻き込まれてしまいます。

この連鎖から脱する方法は、

  • 気づき
  • 放っておく

これにより、それ以後の増殖を防ぐことができます。

人間馬車説(マインドワンダリングを説明)

マナスの暴走ということになります。10頭の暴れ馬たちを強引に抑えようと、対象と結びついた感覚器官の情報を御者/ブッティへと伝えてしまうことです。暴れている馬を力技で抑えることは困難であり、手綱を引くのは、自分の意思を伝えたいときです。そしてゆっくりと諸感覚器官/暴れ馬を観察し、暴れている原因の客観的事実を洞察することで、取るべき方法は変わってきます。

この判断をするのが、理智/ブッディの働きになります。

昔の人の方がストレスに強かったのか?

「最近の若い人は、・・・」と昔流行ったフレーズですが、「ゆとり世代は、・・・」と現代でも一部で使用されています。

では、実際昔の人の方がストレスに強かったのでしょうか?

人によりストレス耐性は異なります。育った環境がストレス耐性に大きな影響を与えるとされており、幼いころにストレスを受けて、育った人は、扁桃体に影響しているとされています。子どもの頃に受けたストレスが強かった人ほど、大人になって扁桃体が大きくなる傾向にあり、些細な刺激にも過敏に反応してします。その結果、ストレスホルモンが放出されやすくなります。幼いころの養育体験が、大人になってからのストレスの感じ方、受け止め方に影響を及ぼすということです。

これは、質/トリ・ドーシャと同様な説明となっています。

(※トリ・ドーシャ・ドーシャ理論については、以下をご参照下さい)

一概に昔の人の方がストレス耐性が強かったかということはできません。確かに戦前の日本では、神性の高い国民が多かったので、人同士の結びつきが強く、協力して物事に取り組む姿勢も皆持ち合わせていました。しかし、その後、成果主義、個人主義が日本に持ち込まれ、人々のつながりが希薄化しています。

またストレスの種類も複雑化していますし、情報化社会によって何を信じてもわからないまま、物事の選択ばかりを迫られ、精神が疲弊していっています。

(※産業構造の変化によるストレスの変化については、以下をご参照下さい)

ストレスに強い人、弱い人

  • 生育環境
  • 遺伝(体質)
  • 生活習慣
  • 考え方のクセ

以上の特徴がストレス耐性について大きな影響を及ぼすのは言うまでもありません。しかし、これだけで決まるわけではありません。あくまで傾向です。生育環境は扁桃体に影響を及ぼし、体質や生活習慣もトリ・ドーシャ理論、トリグナ理論により特徴的な性質を表すことは考えられます。

(※トリ・グナ理論については、以下をご参照下さい)

自分の状況に満足していられる人ほどストレスに強いとされています。アシュタンガ・ヨーガにおけるサントーシャがこれに該当し、ニヤマの実践もストレス・マネジメントには強く影響をするということになります。

(※アシュタンガ・ヨーガのニヤマについては、以下をご参照下さい)

宇宙飛行士のストレス対策

宇宙飛行士は心身ともに非常に強いストレス下にさらされる為に、ストレス・マネジメントが徹底して指導されます。ストレス対処法の手順は以下の3つ、

  • あらかじめストレス対策をリストアップ:例え:音楽を聞く、本を読む、宝くじが当たった妄想(具体的な、抽象的な)今自分が偉人ならどう対処する?と考える…
  • なるべく多く挙げておくこと:大切なのは、質よりも量とされています。様々なストレスがかかるたびに、リストの気晴らしを実践していきます。そして自分でストレスが減ったかどうか判断し、まだ感じていたら、別のことをするか、続けるかを自分で判断をしていきます。
  • トレーニングで上達していく:自らのストレスの観察、対策を意識的そして徹底的に繰り返すことで非常事態に備え、自ら選択又組み合わせて自ら対処していけるようにトレーニングをしています。

日常でできるストレス・マネジメント

  • まず気分高揚につながる行動をリストアップ
  • その後、実際に実施し、達成感、喜びと楽しみを点数づけをする
  • 気分と行動の関係に気づく
  • もし良い行動があれば、それを習慣化していく

上記は日常生活でできるストレス・マネジメントです。

点数をつける目的は、客観性を持たせることで、良い悪いを判断するものではありません。また気分と行動の関係に気づくのはあくまで自己判断で行うことが重要です。ストレスは、視覚では判断できません。自ら気づくことでしか、このストレスの課題や難題を乗り越えていくことはできません。

ストレス反応による脳の賦活

扁桃体と前頭葉が同時に賦活することが発見されました。前頭葉の働きの活性化により、扁桃体の活動にブレーキをかける反応が認められたとの報告があります。

よって、前頭葉のコントロールを回復させることが、ストレス対処法としても考えられます。

マインドフルネスの実践法

簡単な実践法を示しますが、うつ病などの人はDrに相談してください。

マインドフルネス瞑想は、瞑想という名ながら、禅の瞑想にまつわる宗教性を排除した心の使い方をします。

  • 身体の力を抜き、背筋を伸ばして座ります。(下腹に少し力が入ります)
  • 体と呼吸に意識を向け、その様子を感じる。

背筋を延ばした姿勢

 

  • 呼吸は「ゆったり」くらいにしてなるべくコントロールしようとしない(お腹が膨らむ、胸が膨らむ、鼻を通る呼吸の暖かさなど感じる)
  • ただ感じ続けていく。膨らみ、しぼみ体がしたいようにさせてあげて、感覚をそのまま感じ取る。
  • 自分の注意/気づきがそれを追いいかけ、木の葉が風でそよいでいるように、身体がただ膨らんだり、縮んだりしているといった感覚が生じる。
  • 雑念、五感、感情などが浮かんできたり、引き込まれていることに気づいたら、無理に考えない。(善悪など判断をしない、囚われない)
  • 気づいた対象をラベリングしてそっと呼吸の感覚に戻ることを繰り返す。

頭脳

  • そのまま続けて、からだ全体に吸った息が行き渡る様にイメージで呼吸をする
  • (ここまで5分程度)
  • ここから先は、注意をパノラマ的に広げて、気づきの対象になる私的・公的出来事の全てを同時に捉え続けるようにしていきます。

考え事

  • 空気の動きや部屋の広さなどに注意を向けて、周りの空間に注意を広げる(意識化範囲の拡大)
  • (ここで7分程度)
  • まぶたの裏に注意を向けて(10分)終了

以上が、自分でできるマインドフルネス体験でした。

マインドフルネスの総括

マインドフルネスの基本は、「今」に注意を向けていくことです。マインドワンダリングが過去や未来に対する注意が暴走することで、過去からストレスが脳の中で再生産されコルチゾールが増加していきます。これを「」を意識することによって、連鎖を止める作用がマインドフルネスの効果です。

日本文化には、武道、花、お茶、禅などがあり、日本人がマインドフルネスを行う時は、日本文化にあるものを思い出すことがよいテーマになりますし、受け継がれている基礎があるので、上達しやす方法であるとも考えられます。またマインドフルネスにこだわる必要性もなく、日本古来のもの実践する方が良いかと個人的には思っています。

まとめ

  • マインドワンダリングには、マインドフルネスが最適
  • 意識を制御する方法=マインドフルネス
  • 基本は、「」に注意を向ける心のモード
  • ストレスの根本的な解決を図るには、ヨーガにおける理智に触れなければいけない
  • 状況によるストレスに対処するには、取り組みやすい方法である
  • 日本文化にはマインドフルネスの基礎となる文化があるので得意
  • アメリカ信者にはならず、日本式のマインドフルネスを作っていけばいい(作らなくても既にある)
  • 色んな物に気を配って、妄想ではなく「今」をきちんと捉えることが求められる
  • 意識改革・革命のキッカケを与えてくれる技法と考えられる