教育

これから理学療法士にもマネジメントスキルが求められてきます。

現在の理学療法士の年齢層は、ベビーブーム並にピラミッド構造になっており、圧倒的に20代の新人スタッフが占めています。その結果、懸念されるのが、リハビリテーションの質の低下です。

今後、地域包括ケアシステムの構築や全体的な質の向上を目指していく為には、優秀な指導者やマネージャーの存在が必須になります。

個人的に、理学療法士業界の問題点は、マネージャー不足による質の低下ではなく、もっと根深い問題があると考えています。

今回、「マネジメントとは何か?」という基本的なことから近代看護教育の母と呼ばれる「ナイチンゲール」との共通点について記載していきます。もう少し具体的には、以下のようなことを書いています。

  • 管理職に求められる「マネジメント」スキルについて
  • マネジメント」と「ナイチンゲール」との共通点について
  • 思考パターンを変えていく必要性について
  • 物に対して多角的な価値観が存在することを知ることについて

現代の病院経営は、サービス業に例えられています。これはマニュアル化された「マネジメント」の影響からかもしれません。マニュアル化に関しては、メリット、デメリットがありますが、日本人の個別性や特性が失われる為に合っていないと感じています。

病院経営と企業経営の観点からも、多職種協働で課題解決に当たることが多い現代では、チームの旗振り係となる統率者が必須になってきます。


マネジメントとは

まず「マネジメント/Management」とは、辞書によると以下のような意味が引かれます。

  • 経営
  • 管理
  • 支配
  • 経営学
  • やりくり
  • 制御
  • 操縦
  • 管理職
  • 駆け引き

本記事では特に、「Business−Management」について解説しています。

なんとなくのイメージ通りの意味がひかれてきました。一言で言うと、「資源の有効活用」と言い換えることができます。

もう少し詳しく説明すると、以下のように説明できます。

組織やチーム目標を達成するために与えられた、

  • 時間
  • 情報
  • 技術

といった資源をいかに効率よく活用し、最大の利益をどのように創出するかを考えていくこと

マネジメントの3つの役割

「マネジメントとは人と組織を活かして成果を上げること」であり、マネジメントには組織を機能させ、社会に貢献させる上で3つの能力があります。

P.F.ドラッカーも「マネジメントをその役割によって定義しなければならない」として、3つの役割を説いています。

これらの役割は非なるものにみえますが、同様に重要なことです。

  1. (企業、病院、大学などであれ)自らの組織に特有の「目的」と「使命果たす
  2. 仕事を生産的なものにし、成果を上げることで働く人たちを活かす
  3. 社会に与える影響を処理するとともに、社会の「問題解決」に貢献する

マネジメントなのかマネージメントなのか?

どっちでもいいかなと思いますが、一応・・・

どちらも同じ意味で用いられています。意味も幅広く用いられているのと同様に区別されずに用いられています。どちらもカタカナ英語ですので、どちらでもよいというのが調べた結果です。

どちらで検索しても、同様な内容のヒットが得られます。「マネージャー」とよく耳にしますが、今回は英語の発音に近い「マネジメント」と統一します。

企業の目的とは

「マネジメント(経営)の最大の責任は、自らの組織の生存を確実にすることである。組織の構造を健全かつ堅固にし、いかなる打撃に耐えられるようにすることである。そして急激な変化に適応し、機会を捕らえることである。」

ドラッカー 「乱気流時代の経営」より

言い換えると、「変化に対応して生き延び、永続性継続性を維持すること」です。

また、「ナイチンゲール」も同様な言葉を残しています。

「”使命感”から勤勉が生まれ、”勤勉”から”永続性”が生まれる」

ナイチンゲール

一人ひとりの使命感から勤勉な風土が生まれ、永続性が生まれます。

過去から時代を生き抜いていくことに大切なことは、強靭な骨格特別なスキルをもつことではなく、「変化に柔軟に対応することだと言われています。そこに高いスキルや強い骨格も確かに必要ですが、正しい使い方を理解できていなければ意味がありません。

よって、「何を持っているか」よりも、「どう使うか」という所有よりも使用方法を考える方が重要ということになります。どんな現場でも、教科書的なセオリーになることは稀です。実践では、感覚や現場での経験値がものをいいます。

準備をすることは当然必要ですが、その時どきの状況判断に集中できるような姿勢を保つことを優先すると、事前準備で勝負が決まるとも言えます。その為に知識として知っているのは当然有利に働きますが、そのセオリーに固執し、判断を乱されないようにしておく心構えは重要です。


そして、永続性を持っている企業には倫理観とは異なる独特な価値観が備わっています。

使命感とは

使命感とは、

自分に課せられた任務を果たそうとする気概

引用:コトバンク

(※気概:困難にも屈しない意気。困難にも打ち負けずに前に進む行動力)

同様な意味で用いられる主体性について以下をご参照ください。

似たような言葉の責任感がありますが、その意味は、

自分の仕事や行為についての責任を果たそうとする気持ち

引用:コトバンク

責任とは、義務や任務で他者から受ける意味合いがありますので、自らもつ使命感とは異なる性質の言葉です。

ドラッカーとナイチンゲールの共通点

ホスピタリティ

経営は実務であり、唯一絶対なものではありません。

その価値は、医療において科学的なものではなく「患者の回復過程」によって判断しなければいけません。医療において相手にするのはあくまで人間であることを忘れてはいけません。人間は、機械とは異なります。固有の価値観があり、自ら考え、判断し、伝達し、感じとります。

リハビリテーションにおいても、人間機械論的な解釈によってなされているアプローチがたくさんありますが、相手が人間であることを忘れてしまったものは、リハビリテーションではありません。

経営も同様で、価値を感じるのは人間であり、定量的に評価することは非常に困難です。患者の回復過程と同様にプロセスを常に観察し、人間として接することが、リハビリテーションにおいても経営においても重要な視点であるということです。

まとめ

  • 経営も医療も共通したものである
  • 生き抜くためには思考の柔軟性は重要
  • 「どんな能力がある」よりもどう使う?の思考パターンにシフトしていく
  • 社会問題解決に尽力するのもマネジメント