今まで他人から言われて初めて気づいた自分自身の一面はありませんか?
- 「些細なことに気遣いができる方なんですね」
- 「話し方がすごくソフトで優しい感じが伝わります」
このようなポジティブな意見もありますが、ネガティブな意見もあります。
- 「時々すごく冷たい目をする」
- 「細かいことを気にしすぎ」
これは両方とも私が言われたことがあることです。
人はつい「自分のことは自分が一番良く知っている」と考えてしまいがちです。他人に言われたことが受け入れられない場合には、非常にショックを受けます。仲良くない人に言われるとつい「よく知らないくのに、勝手に決めつけて・・・」と思ってしまうことさえもあります。
私自身、他者評価をすごく気にするタイプでした。なので昔は人付き合いは非常に苦手でした。これは「自分の世界を生きていない窮屈な人生だと気付き、現在はあまり気にはなりません。しかし、相手が上記のように自分を見ていることは事実です。それが全てとも思ってもいません。
「あぁ、○○さんにはそんな風に見えているのか」と受け入れていけばいいだけです。言葉では簡単ですが、これができると悩みの大半は無くなると思います。
相手と良好な関係性を築く為には、まず自分を知る必要性があります。これは自己成長につながります。他人の評価の中だけで生きていくことは、自分らしさが失われ、息苦しく感じてきます。人それぞれ価値観があるので、他人から見えている自分が正しいと思う必要はありません!
上記したように「他人からはそんな風にみえるんだな」と理解するためにいい方法があります。
今回はコミュニケーションを円滑にし、自己理解をも深めることの出来る手法である、「ジョハリの窓」を解説していきます。
- 自己分析方法で有名な【ジョハリの窓】について
- 隠された特徴に気づく方法
- 他人の評価で生きることの無意味さについて
- 自己成長につながるヨーガ技法について
言語以外が相手に与える印象
誰でも初めての人と話をするときは、緊張します。緊張すればするほど、自分の無自覚的なクセが出やすくなります。特に言葉以外のいわゆる「非言語」が相手に与える印象は、言葉以上の力をもっていると言われています。
面接などもそうですが、非言語表現は慎重に観察するか、他者に指摘してもらわないと気づきにくいものです。トレーニングによっては、自分が相手に与える印象をネガティブな印象からポジティブな印象へと変換することも可能です。
まずは知識として、自分が無自覚的に相手に与えている印象を知っておくことはトラブルを避ける良い方法です。
ジョハリの窓
「ジョハリの窓」とは、自分には「4つの領域が存在する」という考え方に基づき自己分析をすることによって、他人とのコミュニケーションを円滑にする手法の一つです。
- 自分/他者
- 知っている/知らない
以上の2軸によって、自分自身を4つに分け、窓に例えた方法です。
人は上記の4つの窓を通して、人はコミュニケーションをとっています。
それぞれの窓の仕切りは自分の意志と気づきで動かすことができ、窓の大きさも自由に変えることができます。しかし、自分の特徴や思考などのクセを知ることが条件になります。自己理解を深めていくことによって、この窓と枠はコントロールできるので、自己成長を促進する助けになります。
自己成長するには
相手とのコミュニケーションを円滑にするには、自己分析をすることが求められます。
- 「自分は◯◯な人間だ」と自分を決めつける
- 限界を自分で決める
このような思考は、自己分析の障害となります。また思考には目的があるので、「自分を変えたくない」「努力したくない」という壁に立ち向かう勇気が必要になります。
努力したくないが為に決めつけている可能性もありますが、自分を含めた構造を自己認知をすること/自己イメージと他者イメージを重ねて理解していくことは、社会で生きていくためには非常に役に立ちます。
よって、窓を拡げる/自己理解することがコミュニケーションには必須だということです。
窓の拡げ方
では、
「信頼関係構築には、どの窓を拡げていけば良いでしょうか?」
想像がついたかもしれませんが、それは「開放の窓」です。
秘密や表裏がない人に人は好印象を抱きます。
意識的に隠していなくても、何かやましい事があると行動が不自然になり、この不自然な行動に人は不協和を抱きます。この不協和が疑いの種になるわけです。
- 「あの人は、何かやましい事があるからよそよそしい」
などとあらぬ噂をたてられてしまうかもしれません。(本当はただの人見知りなだけかもしれませんが)
あくまで自分が隠しているかどうかではなく、重要なのは、「相手がどう思うか」というところが重要です。
現代人は、相手の感情を察知することが不得意になってきていると言われています。人の心情を察する日本人独自のスキルまでも欧米化してきているということです。日本人の「察する能力」は、外国人から「日本人=エスパー」と称されるほどの文化でした。
「相手がどう感じるか?」で印象が変わるのであれば、常に相手のことを考えてしんどくなりそうなものですが、コミュニケーションとは、もともと自分の感情、思考、行為という「行動」を的確に相手に伝える手段のことです。的確に伝える手段をもっていれば、自分が誤解されることもありませんし、相手を傷つけることも少なくなります。
よって、コミュニケーションは人間の最強のスキルです。
開放の窓を拡げるには、日常生活からのトレーニングできます。
昔は得意であったはずの人の感情を察する力が失われつつあるのは、現代教育において、感性の教育が軽視されているからだと考えられます。
ここからは、それぞれの窓の拡げ方を順に解説していきます。
盲点の窓
気づかない窓とも言われ、この窓の拡げ方は、
- 他者からの指摘を謙虚に受け止める
- 周囲に気づいたことは教えて欲しいと伝えておく
- 他者からのフィードバックを受ける
自分で気づいていないので、教えてもらう必要があります。そして、フィードバックを受容する心が必要です。
なのでフィードバックの相手はある程度親しい人/信頼している人の方がよいとされています。まず慎重に相手を選びましょう。
(※ヨーガにおいては、ニヤマの実践がトレーニングとなります。)
秘密の窓
自分は知っているけれども、他者は知らない隠された窓の拡げ方は、
- 自己開示すること。ありのままの自分をみせること(できないこと、知らないことも隠さない)
- わかってもらえるように努力をすること
まず相手を知る勇気を持つことが必要になります。
- 「こうしなければ」という「〜すべき思考」
- 「他人の目が気になる」など
自分を押し込める行動を避ける勇気が必要になります。
(※ヨーガにおいては、ヤマの実践がこのトレーニングになります)
未知の窓
自分も他人も知らないので、もっとも拡げにくい閉ざされた窓です。この窓は無自覚的に抑圧している姿なのかもしれません。
この窓の拡げ方は、
- 自分の中の当たり前、前提に囚われずにチャレンジしていくこと(解決策が見えてくる可能性があります。知りたければまず行動をしてみる)
- 経験したことのない、他人にも想像がつかないような領域に踏み込んだ自分を想像してみる
新たな自分が発見できる可能性があれば、行動していくことに限ります。行動無くして変化することはありません。
(ヨーガにおいては、善き指導者の元で内観していくことが勧められます)
まとめ
自分を知ることによる利点はたくさんあります。他者との関係性は善いことにこしたことはありませんが、媚びてまで良くする必要はないと考えています。これは「横の関係性」ではないからです。かといって嫌う必要性もありません。
- 自己開示とフィードバックを重ねていくことによって、未知の気付きがうまれる
- コミュニケーションを円滑にするために、自分を知り、他者を知っていくことが大切
- 他者の存在が自己理解を深める=自己を知るということにつながる
- 「他人の成長=自分の成長=全体の成長」と切り離すことのできるものではない
- 全てがつながっているということがコミュニケーションの楽しさであると捉えることがができる