ABC分析では、問題行動の前にはそれ以前に経験された刺激により構築されると考えています。また問題行動にも目的が存在し、その目的を成し遂げる手段として行動主が選択し、行動しています。その行動が危険であるかどうかではなく、問題行動は行動主にとって目的を成し遂げるという点で善な行為であります。

度重なる失敗や嫌悪刺激はストレスとなり、感情反応として誘発されます。問題となる感情反応について、行動分析の観点から解説していきます。

オペラント行動

後続刺激によって、影響を受ける行動

レスポンデント行動

先行刺激によって、機械的、自動的に決まる不随意的行動

感情的反応

問題とされるレスポンデント行動は、不安、緊張、いらだち、興奮などネガティブな情動反応を表す行動のことです。反射的に起こる反応であるので、これらの反応はセルフコントロールが困難な反応とされています。嫌悪刺激に対するレスポンデント行動の誘発は学習されたものでなく、動物が生得的にもっている行動パターンと似ています。但し、これまではなんでもなかった刺激/中性刺激が、嫌悪刺激と同時に与えられると、条件性嫌悪刺激となり、新たな不安、興奮などのレスポンデント行動を誘発するようになっていきます。

これをレスポンデント条件付けといいます。いわゆるパブロフの犬で有名な、パブロフの古典的条件づけです。例えとしては、PTSDがあります。

無条件性嫌悪刺激

例えば、

Aさんは急に5分間人前で話をするように指示された。しかし、Aさんは顔が真っ赤になり緊張で声も震え、うまく話すことができない。そこに指示者から「もっと具体的に!」→無条件性嫌悪刺激

と言われ、周囲の人からも笑われる→無条件性嫌悪刺激

「何を話しているのか?」と曇った聴衆の顔をみて、さらに不安になる。

その繰り返しにより、他の場面でのプレゼンでも条件反応として表出し、パフォーマンスは低下していく。上司からは叱責され、別の日に話しかけられても、同じように不安や緊張を誘発し、人前で話すことさえも避けるようになった。

不安、緊張などのレスポンデント行動が誘発されると、適切なオペラント行動(スピーチの練習など)も抑制され、意欲も低下する。回避行動により不安などの嫌悪刺激がなくなる。嫌悪刺激がなくなると回避行動がさらに増加していきます。
このような行動随伴性を、嫌悪刺激の除去による強化という。

拮抗反応の形成

感情的反応を制御するための有効手段は、不安、緊張と対抗する働きをもつ適切なオペラント行動の形成、定着を図ることで、レスポンデント行動を制御し、self−Management行動へと誘導していきます。後続刺激によって、先行刺激に上塗りしていくようなことと考えられます。この方法では、不安、緊張を出せないように無誤学習によって指導を進めていくことです。

行動主義介入の問題点

行動を起点として条件性嫌悪刺激に対処していくことを書いていきましたが、条件性嫌悪刺激の問題行動として感情的な反応がありました。しかし感情にも目的があるわけです。頭の中では思考―感情―行動という過程が存在し、感情も目的が含有された手段ですので、手段にアプローチをしても根本的な解決にも至りません。

PTSDを対象とした心理療法によって解決していない方が多くいるのがその証拠です。行動を起点として人を捉えると、あたかも人間を動物や機械のように扱っている様なものです。これらは世界的には時代遅れですが、日本ではいまだに行われています。

人間には心があり、理性があります。生命を脅かすような刺激は別として、条件性嫌悪刺激は先行刺激というその人の経験的に蓄積された断片的な記憶に対して、目的に適った行動として出現させている理智の仕業です。

ヨーガにおいての介入

ヨーガにおいては、感情反応として行動させている、それが目的に適っていると判断しているのは理智だと考えます。記憶の鞘である歓喜鞘の中のチッタ/記憶袋の記憶を目的に適した意味付けをしているということです。この記憶を判断しているのは、理智ということです。記憶の意味付けを正し、理智の認知間違いを正していく作業が根本的な治療なわけです。

ヨーガにおける人間観と理智鞘・歓喜鞘については以下ご参照下さい。

又、ヨーガ療法については以下で宜しくお願い致します。

 

まとめ

  • 感情反応を制御することは不可能ではありません。しかし、根治療法か対症療法では介入方法が異なります。
  • 問題の捉え方⇨アセスメントがセラピーの生命線
  • 行動という大きなくくりでは、詳細にアセスメントすることが困難⇨問題は身体に表出されないとこにある
  • 人間機械論は時代遅れ