本記事では、以下の内容について解説しています。
- 身体の性質と言われる、【ドーシャ/病素】について
- 【ドーシャ】と【5大元素】の関係性について
- 肉体の病の考え方について
- 日本独自の【アーユルヴェーダ】の開発が理想的であることについて
【人間五蔵説】に基づいて【ヨーガ療法】においての【病理論】では、病気は2種類存在すると考えられています。【理智鞘】における「認知の誤り」=【無智さ】という基準から病気を捉えて以下の2種類と捉えています。
- 【無智さ】から生じない病気|外傷や感染症など(知的障害、脳障害等)
- 【無智さ】から生じる病気|神経症、適応障害、心身症等
(※さらに詳しくは、以下をご参照ください)
心の性質の【トリグナ】に対して、体の性質のことを【ドーシャ】と言います。
(※【トリグナ】については、以下をご参照ください)
また、【ドーシャ】を病素や障害と意味することがありますが、体を構成する要素である3つのドーシャバランスの乱れを病気とすることから、【ドーシャ=病素】を意味して解説していきます。
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ドーシャとは
【ドーシャ】は、【5大元素】(土・水・火・風・空)より構成されています。
(※【5大元素/パンチャ・マハブータ】については、以下をご参照ください)
【5大元素】は、この現象世界の全てのものに含まれている要素であり、これらの元素により構成されている【ドーシャ】についても同様のことが言えます。
【ドーシャ】の一般的な意味は、
- 体液
- 生命エネルギー
グナが【心】の質を表すのに対して、ドーシャは【肉体】の質を表します。
【ドーシャ・バランス】の乱れが病気のもとになることから、【病気】を引き起こす根本的な原因として、【ドーシャ/病素】と考えられています。
トリ・ドーシャとは
【ドーシャ】とは、以下の3つのエネルギーから成り立ちます。
- カパ
- ピッタ
- ヴァータ
(※トリ/3の意味)
健康状態にある身体は、この3要素からなる【ドーシャ・バランス】が取れています。しかし、バランスが崩れると体は不調を訴え、様々な病気を引き起こすと考えられています。【ドーシャ理論】は、【アーユルヴェーダ】で主に用いられており、【ドーシャ・バランス】を保つこと=【アーユルヴェーダ】とも考えられるくらい重要な考え方です。【ドーシャ・バランス】により病気を治することを考えますが、日常生活からバランスを保ち、病気を予防し、健康の維持そして増進を図ることから、現代医学とも同等な立場を【アーユルヴェーダ】もとっています。【ヨーガ】と【アーユルヴェーダ】は姉妹関係にあり、西洋医学に照らし合わせると、【ヨーガ/外科】に対して、【アーユルヴェーダ/内科】のようなものです。
【ドーシャ】とは、身体を構成している基本組織のことで、人の体には必ず3つのドーシャが備わっています。3つのドーシャのうち、1つもしくは2つ優位なドーシャで占められ、人により独特な体質があります。
- ヴァータ=風+空
- ピッタ=火+水
- カパ=水+地
(※人間だけでなく動物・物質・時間など現象世界のすべてのものに【ドーシャ】が存在すると考えられている)
この質は生まれたときに両親から受け継いでいる【DNA】のようなものです。注意が必要なのは、どのドーシャが優れているという意味ではなく、あくまで【傾向】であるということです。
(※【ドーシャ・バランス】はアセスメントの1つで、【アーユルヴェーダ】では、西洋医学的情報も含めてアセスメント利用して、治療・指導方法を選択していきます。)
【ヨーガ】【アーユルヴェーダ】は現代医学と同じスタンス
【心理的病素】の乱れが【肉体的病素】の乱れを招き、各種疾患の発症になるという現代の【心身医学】的理解と同様な立場を【アーユルヴェーダ】や【ヨーガ】もっています。【アーユルヴェーダ】や【ヨーガ】が優れているのは、現代がやっと作り上げた【心身医学】の考え方をはるか昔から実践しているということです。
【ヨーガ】では特に、心の【無智さ】から肉体的な病気が発現すると考えますので、心身の病素バランス【グナ】【ドーシャ】は非常に重要となります。【アーユルヴェーダ】でも、心の状態を第一にして、心身相関を重要視しています。心の健康なくして体の健康はあり得ないということです。
(※【心身相関】に関する病気については、以下をご参照下さい)
アーユルヴェーダと心身の質
生まれながらの体質を決めるのは【プラクリティ】の組み合わせです。両親の影響を強く受けます。よって、心身の質を深く知るためには【プラクリティ】の理解が必要になります。
(※【プラクリティ】については以下をご参照ください)
生まれながらにして人は、特定の体質を有していると【アーユルヴェーダ】では考えられています。生まれながらの【体質/プラクリティ】の考え方を基に、自らの性質をよく知り、健康を保つことを勧めています。誕生時の【体】の質と【心】の質を決定する因子として、以下が挙げられます。
- 受胎時の精子と卵子の状態
- 五大元素(胎児時)
- 肉体的病素/トリ・ドーシャ
- 心理的病素/トリ・グナ
- 妊娠中の母親の食事や習慣
以上のような【DNA】のような親の病素、胎児時の外部環境、ライフスタイルが【ドーシャ】を決定する因子です。【遺伝】によるものが全てではなく、内外部の影響を強く受けるということが理解できます。しかし、胎児の時に決まるという点で、遺伝的要素である【体質/プラクリティ】が決まると、一生同じ状態にとどまると考えられています。よって、心身ともに健やかに保つためには、自分自身の【体質】と【気質】を知ることが必要となり、心身の質に適した日常の暮らし方をしていくことが勧められるということになります。
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7つの体質と特徴
体の質は、3つの【ドーシャ】の組み合わせにより以下の7種類に大別されます。
- ヴァータ
- ピッタ
- カパ
- ヴァータ・ピッタ
- ピッタ・カパ
- カパ・ヴァータ
- ヴァータ・ピッタ・カパ
ここではおおまかに3種類に体質を区分けして、各タイプの特徴的な心身状態を紹介していきます。
- 健康を保つ
- 病気の予防
- 治療
以上の3点が重要であるので、簡単な特徴をみておきましょう。
- ヴァータ=風+空
- ピッタ=火+水
- カパ=水+地
3つの【ドーシャ】は各元素と対応しています。【五大元素】の特徴をイメージすれば、その割合に応じて、各【ドーシャ】の特徴もイメージできます。
(※【五大元素】については、以下をご参照ください)
身土不二とアーユルヴェーダ
身土不二とは、
人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということ。その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方で、明治時代に石塚左玄らが唱えた。
生まれたときの心身の質は、【プラクリティ】により決定されるため、バランスを保つためにも慣れ親しんだ食物や身の丈にあった生活習慣をすることが勧められます。よって、海外で人気の健康フードなどを身体に入れても【心身のバランス】を保てるとは考えにくいと個人的には考えています。自分が慣れ親しんだ食生活を続けていくことが勧められるわけで、【アーユルヴェーダ】だからインド式の食生活にしないといけないというわけではなく、【日本のアーユルヴェーダ】または関西のアーユルヴェーダなど、もっと特定の地域ごとのアーユルヴェーダが存在するのが理想的だと考えています。
まとめ
- 体の質は生まれながらに決まっている
- 自分の【ドーシャ】を知ることが、生活の参考になる
- 治療よりも【予防】が大切という考えは万国共通
- その土地に適した生活を送ることが勧められる
- 日本式のアーユルヴェーダは必要