花をもつ女の子

本記事では、以下を解説しています。

  • 人生の4大目的/プルシャルタについて
  • 人として持つべき能力について

黄昏

人生には生きていく様々な意味があります。人生の目的を探求する心理学などの学問は存在しますが、多くの教えで説かれている目的として、悟りや独尊位は行動が伴うもので、知識では到達できない境地であると理解されています。ヨーガで教えられている「人生の目的/プルシャルタ」について解説していきます。

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人生の意味

【プルシャルタ/purushartha】は、人生の目的という意味を持ち、古くからインドでは人生には4大目的があるとされています。人が人生で様々な目標や特定の価値観に基づいて優先順位をつけて課題を達成していきます。このプルシャルタは、人が正しく生きるコツを提案しています。

  • ダルマ(法)
  • アルタ(富)
  • カーマ(欲)
  • モクシャ(解脱)

ダルマ/dharma

ダルマは多様な意味で用いられるために正確に訳すことは難しく、一般的には「行為の規範」という意味と考えるとよいと考えられます。語源としては、【dhr】で、「人間の行為を保つ」という意味があり、法律、習慣、正義、義務や社会制度もダルマに含まれます。人間の行為規範であることから、人間の道という意味も持ちます。

規範となる教えが、各聖典の中に含まれており、理想形を理解して上で人間として生きるために勧戒される行為を社会で実践し続けることが【ダルマ】と考えられます。

(※ヨーガで勧戒される行為については、以下をご参照下さい)

アルタ/artha

利益、財産、実利などと意味する言葉。義務として仕事をし、その成果、目的、富を蓄積すること。アルタは、【カーマ/欲求】を満たすために必要な物質的資源を提供しています。アルタ単体で完結するものではありません。

カーマ/kama

欲、願望、快楽、利益や愛などを指す言葉としてされています。カーマにとって、アルタは非常に意味を持つものとされています。もし私たちが何か商品を欲しいを思った時にはお金が必要になります。この「お金/アルタ」は、この商品が欲しいというニーズを満たし、満足を与えるために必要なものです。これらは物質的社会に暮らす全ての人の課題であるという点から簡単に否定することはできない考え方と言えます。

モクシャ/moksa

人生の究極の目的である解脱を意味する言葉です。他には、悟りや「様々なな束縛や苦悩から解き放たれた安らかな境地」として用いられます。

ダルマは手段

人と動物の違いについては、文字や絵を描き歴史を伝えることや言葉を話すこと、道具の使用などが挙げられますが、共通点もあります。これは生物的な機能に関わるもので本能的なエネルギーによる性的衝動や飢えなどが代表的です。これらを満足させるかもしくは昇華させることで適切に対処していきますが、単に欲を満足させるか昇華させるかそして、その手段の判断(ダルマ)を適切に行えるのが人であると言えます。

上記はアルタやカーマの範疇の話ですが、ダルマとモクシャの目的については、動物と共有することは難しく、人間のみに与えられた目的だと言うことができます。

ダルマは、人の倫理観であり価値観は、他の3つの目的の基礎となる非常に重要な目的です。富を追求したり、欲を持つことは決して悪いことではありません。むしろ人生の中では必要なときもあります。しかし、前提条件としてのダルマが存在し、人に迷惑をかけたり、過度に追い求めることで身を滅ぼしてしまうことを犠牲にしてまで行うべきではないという基準になるのが、【ダルマ】です。よって、【ダルマ】は物事の善悪を区別する判断基準であるということになります。

またモクシャは、【ダルマ】よりもさらなる高みに存在する究極の目的とされています。世界中の多くの宗教においての目標ともされるのが、モクシャです。ダルマという道徳的価値観の上に、アルタやカーマが存在するということですが、ダルマも人生の最高善ではありえず、人生においての最終目的地とされているモクシャ、「ニルヴァーナ/涅槃」、「独尊位/カイヴァルヤ」に達するための手段でもあるのが【ダルマ】です。

まとめ

  • 人生の目的においてもはじめに求められるのは適切な倫理観
  • 道徳的価値観を身につけるには、理想形を知り、日々実践すること
  • 判断基準が動物と人との境界線となる