「yoga」をネットで調べると種類の多さに驚きませんか?
私がヨガを始める前にもっていたイメージ
- たくさんのポーズがある運動と呼吸法
- 「痩せる」「引き締まる」などの効果がある
- 「女性がするもの」「露出の強いお姉さんがするもの」
- 心が穏やかになる
偏見もありますが、私が実際に当時もっていたヨガのイメージです。
非常に浅い知識でした。
「正直どのyogaが良いの?」
「本当に効果のあるものってどれなん?」
調べれば調べる程、多くの疑問がでてきました。
正直「この団体は怪しいよなぁ・・・」と感じるものもありました。
- 「何かものを売りつけられそう」
- 「始めたらなかなか辞められなさそう」
- 「玄人の集まりみたいで、私が参加すると場違いじゃないか」
- 「マイソールってなんだよ」
- 「急に触られたりすると不安だな・・・」
パソコンとにらめっこしながら、はじめやすそうなクラスから順に手当たり次第に参加していました。異なる流派のヨガレッスンを受けても大きな違いはわかりませんでした。もしかしたら似たような体験をしたことのある方はおられるのではないでしょうか?
各団体が伝えている効果も似たりよったりですが、源流は伝統的ヨーガにあります。
職業柄なのか、個人的な性格からなのか、自己都合な拡大解釈をしていたり、全くの根拠のないことを教えられることに非常に抵抗がありました。
「それって根拠ないよな・・・」
何度感じたことかわかりません。(口にはしませんが。)
全てを鵜呑みにしたくなるのは人間の性ですが、盲目的に実践していても何も解決しません。yogaを始めようと考えたときには必ず何か解決したい目的が合ったはずです。
自分で考えないとまず解決はしません。
そこで私のように初心者の方が失敗しない為にも、代表的な種類のyogaを区別するポイントと私がオススメの初め方を簡単に解説していきます。
あくまで個人的意見です。
流派は同じでもインストラクターの質によってクラスの質は大きく異なります。
「たくさん資格をもっているインストラクターだから安心」
これは正しくありません。
結論から言うと「レッスンを受けてみないとわかりません」
しかし、私がクラスを受講する際の注意する点が、少しでも参考になればと思っています。
ヨガの種類は増えたものの根本的な考えや目的は変わらず、筋肉や内臓、骨格といった肉体と神経のバランスを整え、健やかな心と身体の繋がりを大切にしていくことです。
そのため、ポーズ、スピード、負荷量など違いはあっても、共通して呼吸法とリズム、姿勢が重要なポイントとなってきます。
ヨガの種類は、自分の体質や目的、悩みから種類を選んでいくのがおすすめです。
すいません、前置きが長くなりました。
いちばん大切なのは、どのyogaをやっていくのかよりも
- 「何故yogaをするか?」
- 「誰の指導を受けるか?」
ということを忘れないことです。
では、順番に解説していきます。
YOGAの歴史を簡単に
まずは簡単な歴史です。
YOGAは、5000年以上前にインドで生まれた心身鍛錬法とされています。
サンスクリット語の正確な発音は、「ヨーガ」と長音です。
このyogaという言葉は、「馬と馬車を繋ぐ」「結合する」「調和する」という意味の動詞yuj(ユジュ)から派生した名詞とされています。
馬を馬車に繋ぎ、その馬を上手に制御しながら目的地に到達することを目指していきます。
日常生活では、外部からの刺激に振り回され、過度なストレスによって身体に病を患っている人がたくさんいます。どんなストレスにも感覚器官、意識、思考が暴走しないように心をコントロールして「三昧」という深い境地に入ることが「yoga」であるとされています。
つまり、「牛馬を御するように心身を制御する」ということを意味しています。
今や「YOGA」は全世界共通言語となり、心身鍛錬法から身体の健康を導く方法として定着しています。
現代ヨガのルーツ
現代ヨガは、主に身体面に重きを置いて行われています。
人間の最も粗雑な要素である肉体にアプローチする「アーサナ」と呼ばれる「ポーズ」が重視されています。
このルーツが、「ハタ・ヨーガ」です。
「ハタ・ヨーガ」は本来、「制感のヨーガ」や「王道のヨーガ」と言われる「ラージャ・ヨーガ」の準備段階として、心をコントロールしていく為には人間の最も粗雑な肉体を健やかにする肉体的なヨーガとして知られています。
心の修行法である「瞑想」を行じるには、窮屈な姿勢で感じる肉体に意識が捉われていては、意識を自己に向けていくことも困難ということです。よって、肉体的な強靭さを求める「ハタ・ヨーガ」が心を扱うヨーガの準備段階ということになります。
これはヨーガの段階説である八支則でも語られている内容です。
ヨガによって得られる効果
yogaの効果を考える時は、2つの側面から考えると良いと思います。
- 運動療法的効果
- 心理療法的効果
運動療法
運動療法的な効果は、身体的健康や美容を追求する現代ヨガで強調されているものです。
中には心への効果を訴えているものもありますが、心への直接アプローチしているというよりは身体の安定や弛緩などによる間接的な効果であって、心理療法が扱っているものとは大きく異なります。肉体は心へ向かっていく為の準備段階の位置づけです。
心理療法
心理療法的な効果は、「伝統的ヨーガ」が持っているような瞑想や客観視によるものです。
八支則から考えると理智鞘や意思鞘へのアプローチをしていることになりますが、ヨーガを科学的に研究し、ダイレクトに心へアプローチしているスタイルはほとんどありません。
一般的な効果の疑問点
運動療法としての効果は、私は理学療法士ですので納得できるものもありますが、「ヨガ」=「ストレッチ」=「身体に良くない」が成り立つとすれば、私はヨガにも否定的な考えをもっています。
いつもこのように思っています。
「なぜ伸ばすの?」
ヨガの有害事象報告が多くなされている現状、レッスンのあり方や教育システムを考え直さないといけない時代になってきました。
国際的にヨーガを統一しようとする活動は、ヨガのルーツになるインドを中心に始められています。
また、心理療法としての効果を一般ヨガレッスンを受けて納得できるものはありませんでした。唯一、科学的に心理療法体系として指導を行っているのは、日本ヨーガ療法が認定しているヨーガ療法ではないでしょうか。
ここから順番に一般的なヨガを簡単に解説していきます。
アジャストメント
ヨガといえば、インストラクターが直接生徒の身体を修正するアジャストメントというものがあります。はっきり言いますと、
「アジャストメントは、やっちゃいけません」
ヨガインストラクターは、クライエントの身体に触れる専門ではありませんので、もしアジャストメントによって身体に怪我などをしてしまえば、責任はそのインストラクターにあります。レッスン前に注意書きなどしていても関係ありません。公共の駐車場で敷地内の事故は自己責任と書かれていても、その場所の質を保つ責任がありますので、施設責任者の過失は認められます。それと同じです。
このように自己肯定感も低下してしまう可能性もあります。
また、インストラクターのタッチングが下手だとかなり不快な感覚を覚えます。
人に触れることを専門にしている立場としては、この点はかなりシビアに感じています。言葉遣いとタッチングは似た要素をもっているなとも感じています。経験論ですが、言葉遣いが荒い人はタッチングも粗い。物の扱いが悪い人が、人への態度が悪いのと同じです。
個人的には、アジャストメントがまず好きではありません。というか、
「アジャストメントはいりません」
アジャストメントは怪我をするもとだし、身体的なアライメントを外部から修正されることほど不快なことはありません。また外部から修正されても自分自身が理解できなければ、そのアジャストメントはインストラクターの自己満足以外のなにものでもありません。
鏡をみて修正するような視覚情報にばかり頼っていても改善することがないのと同じです。
よって、アジャストメントは否定的な立場をとっています。
ヨガによる有害事象増加の件
非常に悲しいことですが、健康になるために参加しているヨガクラスでの有害事象(ケガ)の報告がかなりの数報告されているということです。
偏った指導によるものが多いとされており、現在ヨーガ指導の統一化が行われています。
指導者の質の向上を図っていますが、好き勝手にやっているインストラクターがいつのも事実です。「自らの身体は自ら守りましょう」これにつきます。危ないと思ったら、しっかりと「No!」と伝えればいいです。
- 「ネチネチ言われたり」
- なんとかして従わせようとしたり
こんなインストラクターには注意しましょう。
では、各スタイルを順番に解説していきます。
(やっとか・・・、ここまでお読み頂きありがとうございます)
アシュタンガ
「アシュタンガ・ヨーガ」とは、ヨーガの教典「ヨーガ・スートラ」にまとめられたヨガの八支則を基本理論として生まれました。
八支則は、日常生活においてのオススメ事項と禁止事項から始まり、アーサナ、呼吸法、感覚や精神状態の整え方と段階的に取り組んでいくプロセスですが、これを実践するのが「アシュタンガ・ヨーガ」の目的です。
しかし、
一般ヨガクラスの「アシュタンガ・ヨガ」と八支則で語られるヨーガとは別ものと考えた方が良さそうです。
一般ヨガで指導されている「アシュタンガ・ヨガ」は、ハタヨーガから生まれた1つの流派で「パワーヨガ」の前身とされています。
- 呼吸と身体の動きを組み合わせた体系
- 視線を固定するドリシティ
- 筋肉を締め付けるバンダによる体内エネルギーの蓄積を意識しています。
理論よりも実践に重きを置いたヨガの為に一連の流れを頭にいれると個人でも実習がしやすくなります。
一般のクラスの他に独自のペースで行うマイソールクラスというものもあります。「アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガ」とも言われ、 流れの中で途切れることなくアーサナを行い、呼吸を完全に融合させて行うヴィンヤサスタイルのヨガと同様な意味を持ちます。その為運動量の調整がききやすく様々なスタイルのお手本となるスタイルです。
ヴィンヤサ
ヴィンヤサスタイルは、ハタヨガと比較すると、大きな動きと呼吸を連動させる流れの「シークエンス」を重要視した「アシュタンガ・ヨガ」から派生したスタイルです。
ヴィンヤサという言葉は、「呼吸と動きを同調させる」という1つの要素として捉えたほうが理解しやすいのではないかと思います。
呼吸に沿った運動をするため基本的な「ハタ・ヨガ」よりも動きは強くなりがちです。代表的なシークエンスとして、「太陽礼拝」(スーリヤ・ナマスカーラ)が有名です。
有酸素運動要素の強いイメージで、厳しいポーズを保つよりも流れを重視します。
「途切れない動作や呼吸の流れ」で、身体の動きの反復により筋肉や関節の柔軟性やスムーズさを手に入れることが可能と考えられているスタイルです。
やり方と指導者次第でハードなものからスローなスタイルまで幅がきくのも特徴です。
軽い運動目的でヨガをしたい人や、ポーズのことがわかりにくい場合にはリズミカルなクラス展開のために初心者には適していると思われるスタイルです。
シヴァナンダ
「シヴァナンダ・ヨガ」とは西洋医学の医師により、身体的なヨーガだけではなく、スピリチュアルかつ科学的な考えも盛り込んだスタイルで、インドの伝統的な要素が豊富に含まれているのが特徴的です。
- チャンティング(短時間なマントラ詠唱)
- 呼吸法
- 12の基本アーサナ(身体のチャクラを刺激)
- 締めのリラクゼーション
- 心身のリセットをはかる瞑想
これらが同一シークエンスとされているために、初心者でも慣れ親しむことができ、1つ1つの理解を深めることが出来るのもまた特徴です。
しかし、慣れやすいということは、バリエーションの豊富さを求める人には少し物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
また、姿勢よりも呼吸法やチャンティングに重きを置いています。身体の健康だけでなく、心や精神状態も整えるスピリチュアル面やハードな動作に抵抗がある方には向いていると考えられます。
心身の健康やリラックスを目的としている人にオススメのスタイルと言えるます。
パワーヨガ
「パワーヨガ」とは、アシュタンガヨガを基により現代人向けにアレンジされたアメリカヨガの代表格です。
身体に対する負荷とリラックスを連続して行っていきます。静と動のギャップの大きさから「動いた感」をよく感じることのできるので、人気のあるスタイルです。ヨガを激しい運動というイメージを持っている方は、パワーヨガの影響を強く受けているかもしれません。
「アシュタンガヨガ」よりもさらにパワフルな動きでありつつ、自由にアレンジがききます。
- ざっくりと「ヨガをしてみたい」
- 「しっかりと汗をかきたい」
- 男性
ヨガにメリハリを求める上記の方には受け入れやすいスタイルだと思われます。
わたしも当初は、パワーヨガのDVDを何度も繰り返していました。
(個人的にはキツイのは好きじゃないので、DVDの途中でよく寝ていましたw)