本記事では、

  • エネルギーの通り道であるナーディの基本的な意味について
  • 主要な3つのナーディについて
  • 呼吸法の理解につながる内容について
  • チャクラの考え方について簡単に

上記の内容を西洋医学的な観点と共通した内容にも触れて紹介していきます。

ヨーガにおいてプラーナは、人体における全ての機能に関わっており、ヨーガにおいての人体の機能を理解するにはプラーナの働きを理解すること、またプラーナの通り道であるナーディを理解する必要性がある。

(※プラーナについては、以下をご参照下さい)

またナーディの詰まりを除去し、円滑な通り道にする技法として、クリヤーがあります。

(※クリヤーについては、以下をご参照下さい)

鼻水が詰まった時に鼻をかむことをイメージして頂ければ結構です。鼻腔が詰まっていれば、鼻呼吸がしにくくいですが、乾燥しすぎていても、粘液で過剰に満たされていても呼吸を阻害します。それと同様にナーディも適度な状態に保っていることが重要です。クリヤーに固執するのもよくなく、何事も適度が良いとされています。

ナーディとは

ナーディは、サンスクリット語の「nada/ナーダ」からきており、「to flow/流れ」という意味があります。

この意味から、

  • 気道
  • 導管
  • 経絡

などの意味で用いられています。要は、プラーナの流れる道です。

ナーディは、時に神経と同義的に扱われることもあり、神経や毛細血管の様に全身に張り巡らされています。1つのナーディは必ず別のナーディと連結していると考えられ、全てのナーディが浄化された時に、完全な健康であるとされています。

プラーナーヤーマなどで取り入れられたプラーナは、身体中を巡っているナーディを流れます。ナーディは、神経や毛細血管と異なり、粗雑体である肉体よりも微細であり、肉眼で確認することはできません。人間の構造論である、人間五蔵説/パンチャ・コーシャにおいて、ナーディはプラーナーヤーマ・コーシャ/生気鞘に存在するとされています。

(※人間五蔵説については、以下をご参照下さい)

この生気鞘は、肉体と心との架け橋となる非常に重要な考え方になると捉えられています。

ナーディの数

ナーディの本数は、視覚において確認はできませんが、いくつかの聖典において語られています。諸説ありますが、72,864〜350,000本存在するとされ、ヨーガに関連する重要な書物「シヴァ・サンヒター」によると、14本の主要な気道があるとされています。

14本の中でも特に3本のナーディが重要とされています。

  • イダー
  • ピンガラ−
  • スシュムナー

この3本の中でも特に重要とされているのが、スシュムナー管です。

一般的にナーディは、不純物でみたされており、そのままではプラーナは通ることができません。不純物で満ちているナーディとチャクラ(エネルギーセンター)が清まった時に、プラーナの制御が可能となると考えられています。

イダー・ナーディ

イダー・ナーディは、ピンガラーと対をなしお互い正反対の性質を持っています。イダー・ナーディは、脊柱の底部のムーラダーラ・チャクラの左側から始まり、ピンガラー・ナーディと伴に螺旋状に上昇し、アジュナ・チャクラに至るとされています。

イダーは、左鼻腔に流れ、精神的な力と関連していると考えられています。主な性質として、同化作用またはあらゆる生産的な活動と関連し、エネルギーの保持身体への冷却効果があるとされています。

またイダーは、女性性を象徴するものとされ、他に以下の性質や原理を表します。

  • 女性原理
  • 芸術性
  • 創造性
  • 冷静さ

イダー・ナーディの働きは、副交感神経、右脳を活発にすると言われ、リラックスや体温を下げる機能があるとされています。

左鼻で呼吸をすると、イダーが優勢になり静かで思慮深い性質を生み出します。

イダー・ナーディを代表する呼吸法として、チャンドラ・ベーダナ・プラーナーヤーマがあります。

ピンガラ−・ナーディ

ピンガラ−・ナーディは、イダー・ナーディと対になりムーラダーラ・チャクラの右側から始まり、螺旋状に上昇し、アジュナ・チャクラでイダーと合流します。

ピンがラーは、右鼻腔を司り、ポジティブな動的なエネルギーに関連しています。主な性質として、異化作用または分解する働きがあり、エネルギーを消費発熱効果があるとされています。

またピンがラーは、男性性を象徴し、以下の性質や原理を表します。

  • 男性原理
  • 熱性
  • 理知的
  • 分析力
  • 活発さ

ピンガラ−・ナーディの働きは、交感神経、左脳を活発にすると言われ、活動性や体表面の発熱機能があるとされています。

右鼻で呼吸をすると、ピンガラーが優勢になり身体を温め、活気をあたえます。

ピンガラー・ナーディを代表する呼吸法として、スーリヤベーダナ・プラーナーヤーマがあります。

スシュムナー

スシュムナー・ナーディは、プラーナの経路であり、身体の中心/脊柱を貫くようにムーラダーラ・チャクラから螺旋状に上昇し、頭蓋骨の底部で開くとされています。ハタ・ヨーガにおいて、スシュムナーにプラーナを通すことが重要な目的とされている。

通常スシュムナーという管は、不純物によって詰まっているが、ムドラーやアーサナなどによって浄化し、クンダリニーを目覚めさせることを重要視しています。(※クンダリニー:潜在的なエネルギー、動物的エネルギー、精力の意)

DNA

スシュムナーの左右をまるでDNAのらせん構造のようにイダーとピンガラーで構成されています。

チャクラ

チャクラは、プラーナというエネルギーのセンターとなっています。イダー、ピンガラー、スシュムナーの脊柱における合流点チャクラと呼ばれています。

チャクラには、諸説ありますが、通常は6〜7つのチャクラが存在します。

  1. ムーラダーラ・チャクラ
  2. スヴァディッシュターナ・チャクラ
  3. マニプラ・チャクラ
  4. アナハタ・チャクラ
  5. ヴィシュッダ・チャクラ
  6. アジュナ・チャクラ
  7. サハスラーラ・チャクラ

厳密には、7番目のサハスラーラ・チャクラはチャクラに含めないとされています。これらのチャクラは、神経叢などとも呼ばれています。

イダー、ピンガラー、スシュムナーは、6番目のアジュナ・チャクラにて合一した後に、

  • イダーは、左鼻腔
  • ピンガラーは、右鼻腔
  • スシュムナーは、サハスラーラ・チャクラ/頭頂部

に向かっていくとされています。

イダーとピンガラーの優劣

左右の異なる鼻腔を通して、60分〜90分ごとに交互の鼻呼吸が観察されるとされており、

  • イダー/左鼻腔を流れるプラーナが常に強すぎると、ネガティブな要素(憂鬱、疲労、消化不良、眠気、倦怠感)
  • ピンガラを流れるプラーナが常に強すぎるとポジティブな要素(攻撃的、高血圧)

という傾向が強くなります。

両鼻を通して同時に起こる鼻呼吸は早朝の間中に起こり、それ故ヨーガ修行に関して、早朝の実践が勧められるのはこの理由からです。

またイダーとピンがラーの流れには、1日の中で優劣があり、陰陽のエネルギーによって適した作業があると考えられ、

◇天候もナーディに影響を与える

  • 温かい風は、ピンガラーが優勢
  • 大雨や冷たい風は、イダーが優勢
  • 落ち着いた穏やかな天候はイダーとピンガラーのバランスが取れた状態で落ち着いている

◇食べ物によっても影響を受ける

例えば、コショウやスパイスなどのラジャシックな食べ物はピンガラーの流れが優劣になると考えられています。

(※ラジャシックな食事については、以下をご参照下さい)

まとめ

  • ナーディは、プラーナの通り道の管
  • 管が不純物を取り除く作業がクリヤーやプラーナーヤーマやアーサナ
  • ナーディの性質は心身に影響を与える
  • ヨーガの実習に適した時間があるように、作業に適した時間帯がある
  • 食べ物によっても、ナーディは影響を受ける