人とのコミュニケーションに困ったときの4つタイプ分け|各タイプの特徴や接し方

本記事では、以下について解説しています。

  • 自己主張】と【感情表現】による4つのタイプ分けについて
  • 各タイプの特徴と接し方について
  • 心の余裕を維持する方法について
  • 【ストレスマネジメント】の重要性について

共感

自分自身のことをどれくらい知っているでしょうか?

【コミュニケーション】を取る上で、相手を知るよりもまず【自分】を知ることが大切だと言われています。人それぞれ異なった価値観があるように、【こだわり】や【執着】に基づいて【判断の偏り】があります。この偏りによって、【無自覚的】に相手を否定したり、自己都合な勝手な【レッテル】を貼り付けている可能性があります。このように気づかずに相手を否定してしまっていることが、【信頼関係】を築く障害となります。逆に自分の【思考パターン】を知っておくことで効果的なコミュニケーションをとることができるようになります。また相手が受け取りやすい形で表現できるようになるので、円滑な関係構築をすることができます。

  • 「あの人は私のことをわかってくれない」
  • 「私は嫌われている」
  • 「思っていることがうまく伝えられない」

という様な【悩み】を抱えている人は多いのではないでしょうか。

【対人関係】の作り方も人それぞれ異なり、タイプ分けをすることでおおよそのコミュニケーション方法の傾向を知れます。自分も他者も理解しやすくなります。【自分】を知った上で相手】のタイプを知るとコミュニケーションの幅を拡げることができます。よく会話をする身近な人のことを思い浮かべて以下を読んでいくと【新たな視点】、発見がうまれるかもしれません。

これらの条件になるのが【自己理解】です。しかし、自分が知っている自分と他者が気づいている自分が解離していることはよくあります。そこで参考になる方法として【ジョハリの窓】というものがあります。

(※【ジョハリの窓】については、以下をご参照下さい)

血液型なども同様ですが、あくまでこれらも【傾向】です。しかし非常に参考になると思いますので、順番に解説していきます。

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自己主張の強弱

自己主張とは、「自分の意思や考え、欲求を他人に伝えること」と定義されています。

昔から日本では、【自己主張】が強いことはあまり良しとされない慣習がありました。自己主張の強い人は、【協調性】がないと【レッテル】を貼られる危険性さえありました。自分の意見や考えをストレートに伝えるのではなく、あいまいにして、感じ取るのが日本独自の文化であると海外からはよく理解されない分化であるとも言われています。これが外国人からすると「日本人はエスパー」だと例えられることがある程なのです。しかし、グローバル化に伴い、自己主張のない人=【主体性】のない人と評価される機会も増えてきました。

相手が受け取るコミュニケーション要素の印象を以下に図に示しています。

感情表現の強弱

【感情】とは、「喜怒哀楽やある状態や対象に対する主観的な価値づけのこと」とされています。これを何らかの行動にて表現したものを【感情表現】と呼ばれています。以下に相手が受け取る【感情表現】強さを記しました。

コミュニケーションの4タイプ

自己主張】と【感情表現】を2軸にタイプ分けと以下で図にしています

  • 自己主張【】+感情表現【】=プロモータータイプ
  • 自己主張【】+感情表現【】=ガバナータイプ
  • 自己主張【】+感情表現【】=サポータータイプ
  • 自己主張【】+感情表現【】=アナライザータイプ

これからは各タイプの特徴と接し方、話をする時の注意点を順に解説していきます。

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支配主導型(ガバナー)

  • 】のような冷たさや厳しさ
  • 目標に向かって突き進む
  • 意思の強さや責任感があるタイプ

特徴:仕事を成し遂げたい

  • 行動的で自分のペースで物事を進めることを好む
  • 過程よりも【結果】を重視
  • 指図されるのを嫌い、逆に指図したがる
  • 統率力、リーダーシップに優れる
  • 決断力があり、正義感の強いチャレンジャー
  • 人の話を聞かずに、結論を急ぐ
  • 人をなかなか信用しない
  • 褒められるとウラがあると勘ぐる

接し方

  • 予想外の質問があると、好戦的になる
  • まず質問されること自体を好まない
  • 決してコントロールしないように心がける
  • その人が自ら動くように心がけること

このタイプの人には、答えを教えることは避けるべきです。クライアント側自ら口にしてもらうようにすることがポイントです。もし、教えるのであれば「反論できないもの」をつきつけることが良いとされています。例えば、「あなたにとって永遠とは何ですか?」などの質問です。

質問時の心得

  • 「教えて欲しい」
  • 「聞かせて欲しい」

相手を立てた表現で教えを請うスタンス接することで、教え好きなので喜んで受け入れてくれます。【先生−生徒の】の関係で生徒が先生にするような行動をとることが得策とされています。

  • 下手に褒められたり、お世辞を言われるのは苦手(※変に疑わってしまう傾向がある)
  • サラッと聞き流せる程度に相手に伝えるような工夫が必要

【過程<結果】重視なので、途中段階や本人が満足できる結果ではない時に、評価を下すことは避けたほうが無難です。しかし、1番ということは好きなので、以下の様な文句が有効です。

  • 「あなたに任すと間違いない」
  • 「1番信頼できる・・・」

また、会話する時は回りくどい質問はよくありません。

  • 「お時間ありますか?」
  • 「お忙しいですか?」

そのためはっきりとストレート】に要件を伝えることが良いとされます。そして、ハッキリと断られるかもしれませんが、このタイプの人には好印象を与えます。【報連相】は必須なので、恐れずにしっかりと相手と共有することで、相手は好印象を抱きます。

自分がこのタイプの時の注意点

結果ばかりではなく、相手の努力や取り組む姿勢などの【過程】に注意を向けるようにしましょう。その上で、改善点をアドバイスすることが良いでしょう。答えを持っていても自分のペースで話を進めずに、少し相手に考えさせる時間を与えるようにしましょう。あなたに相談する人は、勇気をだして話をしている可能性がありますので、その点に注意しましょう。特に以下の行為は避けるようにしましょう。

  • 問い詰める
  • 質問し過ぎる

相手に怖がられている可能性があります。

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社会・促進型(プロモーター)

  • 】のようにエネルギッシュ
  • 強いエネルギーで事物を育て、自身も光り輝く
  • 明るく事に望むタイプ

特徴:人に注目されたい

  • アイデアマン
  • 飽きっぽい
  • 話し好き
  • 楽しいことが好きだが、人の話はあんまり聞かない
  • 社交的
  • 気軽にコミュニケーションがとれる
  • 先見性はあるが、計画や計画通りに実行するのが苦手
  • 細かいことは気にしない
  • 規則や慣習にとらわれない(⇨よって人と衝突する)
  • 場を仕切るのが好きで、指揮を上げるのが得意

接し方

  • 数字や論理にはあまり関心がない
  • コロコロと課題が変わり、擬音が多い
  • 感性的な面も強い
  • 状況で行動が変わる
  • あまり深く考え過ぎずに接する
  • おしゃべり好きで、夢を語るのが好き
  • 物事を整理して解釈投与はせず
  • 結果ではなく、【人に注目されたい】という欲求がある

このタイプの人の関心は、【人に注目される】ことなので、自分の行動で周囲へ影響した内容について触れると関心をもって話を聴いてくれます。【結果】にはあまり関心がないために、結果について深く言及されても話が進まない場合もあります。

質問時の心得

  • ざっくりしたイメージの内容で会話をする
  • 聞き手は想像力が必要
  • 翻弄されずに余裕をもって相手についていく
  • あまり深く考えていない
  • 肯定的に話を盛り上げる
  • 「それで?」と促すように相槌をいれる
  • 「すごい」、「すてき」のように色々な言葉を使用する

自分がこのタイプの時の注意点

  • 適当で軽い人のように見られるので、少し考えてから行動する
  • 数字や論理的な思考方法で考える習慣をつける
  • 社交的で「いい人」の印象はあるので、人の話をよく聴くことで、【信頼関係】は築きやすい
  • コロコロと話題を変えない
  • 人の気持ちを考える
  • 継続しない、飽きっぽい性格から、お調子者という印象を持たれている
  • 信用レベルでしか関係性を築けていない場合がある
  • 継続できる計画性をつける
  • 集中力をつけるトレーニングを受ける

支援・援助型(サポーター)

  • 】のよう暖かい人間関係を築く
  • 穏やかに物事を進めていくタイプ

特徴:良い人間関係を重視する

  • 人を援助することを好む
  • 話し合いで物事を決定する
  • 協力関係を大事にする
  • 決断に時間がかかる
  • 目的や目標を立てるのに関心がない
  • 人の期待に応える行動をとる
  • 人優先で、暖かい人間関係を築く
  • 他人の気持ちに敏感だが、【感情】で判断する
  • リスクは取りたがらない保守派
  • 自分の感情は抑えがち
  • 常に関心を持たれたい
  • 承認欲求が強い
  • NO】と言えない
  • 結果重視の【ガバナータイプ】は大の苦手

接し方

  • 自分の意見で相手が気を悪くしないような表現をする
  • 前置きやフォローが多い
  • 要点がボヤけないようにする
  • 一歩引いた役割でも満足する為、常に承認されるようなポジションや人のサポートをする役割が適任
  • 明確に【納得合意】をとることを意識し、一方的な指示や命令は控える
  • 相手の期待に沿った働きをするため、承認をしていればどんどん行動に移す
  • 周囲や自分への愛を感じられない場合は、隠れていた【攻撃性】が表れる
  • 行動や存在に対しての【承認メッセージ】を送ることが大切
  • 人の為に尽くすことが好き

質問時の心得

人優先なので、比較的話はよく聞いてくれます。よって、多少まとまっていなくても熱心に話をすれば好意的に受け取ってくれます。しかし、話の後に以下の言葉を伝えるように気をつけることを意識すべきです。

  • 「いつもありがとう」
  • 「あなたがいてくれたからうまくいった」など

承認メッセージ】で、安心したり、自分は認められていると感じるとさらに親密に話を聴いてくれるようになります。恥ずかしがらずに直接、相手への肯定的な感情を伝えていくことがオススメです。

自分がこのタイプの時の注意点

  • 計画性をつける
  • 細かいことに気にしすぎない(特に人の反応)
  • 自分で判断する力つける(人の判断に頼ってばかりではいけない)
  • できないことは【断る勇気】をもつ
  • 自己効力感】をあげるトレーニングをすると良い

(※自己効力感を上げる方法については、以下をご参照下さい)

分析・戦略型(アナライザー)

  • 】の思慮深さやクールさがある
  • 1つのことを追求していくタイプ

特徴:正確な仕事をしたい

  • 様々な情報を集め、分析・戦略を立てることが得意
  • 冷静で、【客観的】で、慎重なタイプ
  • 急な変化には弱い
  • 粘り強く最後までやり抜く力がある
  • 明確で論理的な話のため、要点は理解しやすい
  • 真面目
  • 頑固で表現が乏しい為、暗いと思われやすい
  • 安定した人間関係を好む
  • 人間関係は慎重で、他人を批判したがらない
  • 急な変化は嫌いだが、予測不能な未来は好き
  • 判断基準に沿って、判断するので感情に流さない
  • 安定したタイプでかなり信用できる
  • 話し合いでは傍観していて、関心がなさそうだが、誰よりも関心をもち分析する
  • 信頼しないと、自分のプライベートなことは語りたがらない

接し方

  • 特定の【判断基準】を用いるので、基準がないものや自己表現を伴う問いには、理解しにくい反応や質問返しで返ってくる
  • 答えに時間がかかるので、急かさないように気を配る
  • 急かすと話さなくなる
  • ミーティングや会議は意図、時間、場所など明確に示しておくと協力的になる
  • 正確に伝わった旨をフィードバックすると効果的

とにかく正確であるかどうかが基準に思考や意見も行います。よって、時間がなく急かすと正確な意見ができない、また急な変化には弱い為に話さなくなることがあるので、時間を与えると良いとされています。

質問時の心得

  • 「あなたはどうしたい?」などの質問は苦手
  • 主観的な質問には弱く、客観的で具体的な質問をする。具体的で客観性のある答えを求める質問をし、「後で教えて下さい」と【時間を与える】ことが大切
  • 客観的な事実や根拠を示した上で会話をする

自分がこのタイプの時の注意点

  • 自分の【感情】を伝える努力をする(※「ありがとう」や「嬉しい」という言葉を使ってみる)
  • 数字にとらわれ過ぎない
  • 考え過ぎない
  • 主観的】なことや自分の意見も伝えてみる
  • 自分のことをもっと話すようにすることで、相手も親近感がわき、話がしやすくなります

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タイプ別の接し方の重要性

タイプ分けは、「一番強く出ている特徴がどのタイプか?」という程度に考えるべきです。誰しも全ての要素を持っており、どれか1つに属するわけではありません。また状況により表出する特徴も変化することはよくあることです。生命を脅かすような差し迫った状況(時間がないなどの緊張状態)で、現れやすい特徴が自分のタイプと考えられます。個人の性格については、遺伝や環境によるものだけではなく、目的に適うタイプを自ら選択しています。反射的にでるタイプの特徴は、習慣的な経験によって効果的であった方法をとっていると考えられます。

アーユルヴェーダ】には、人の性格考える時の基準となる【トリ・グナ理論】というものがあります。

(※【トリ・グナ理論】については、以下をご参照下さい)

また自分の役割を【客観視】できれば、意識的にどの型でもとることができると考えられます。客観視するには【自己理解】と【】についての理解が必要になります。

(※【客観視】に必要となる【】については、以下をご参照下さい)

客観的】な視点を持つことができれば、状況や相手に合わせた接し方でスムーズな人間関係を築くことが得意です。「【客観視力】のある人=【人間関係の構築】がうまい人」と言い換えることができます。

(※状況や立場の違いを理解する力については、以下をご参照下さい)

タイプ分けで、【行動パターン】をある程度予想し、話の進め方や【戦略】を立てることができます。初対面であれば、緊張でその人の本来のタイプを見つけやすいかもしれません。相手に合わせたタイプを自分がとれれば、【ストレス】を感じることも少なくなります。しかし、ストレスが無くなることはありません。【ストレス源】は、主に【対人関係】と言われています。些細なことに敏感に反応しているととても疲れます。心の余裕を維持する為の【ストレスマネジメントスキル】の獲得も勧められます。

(※【ストレスマネジメント】方法については、以下をご参照下さい)

まとめ

  • タイプ分けは、傾向や予想をたてる判断材料、傾向程度
  • どのタイプもチームには必要
  • ガバナータイプのみのチームでは、【主導権争い】で話はまとまらない
  • アナライザータイプのみのチームでは、お互いを観察し、【牽制】で淡々とした会話になる
  • 意識的に必要な役割を果たせるように【客観視力】を磨く
  • マルチな働きをしつつ、職務遂行能力が高い人材がチームでは重宝される
  • 客観視】には【自己理解】が必須
  • 信頼できる他者からフィードバックをしてもらうことは客観視力向上に有効である