本記事では、以下について解説しています。

  • 社会的健康を得るための方法
  • 社会的健康を脅かす現代の問題点について
  • 筆者の体験を通して、自己理解の重要性について
  • 社会や対人関係も自分の勝手な解釈によって、作り上げていることについて
  • 解決方法としてのヨーガの重要性について

仲間

理想的な健康を得るためには、4つの観点から考えることが大切だと【WHO】においても提言されています。

  • 身体的
  • 精神的
  • 社会的
  • スピリチュアル/宗教的

これらの全てが満たされた状態を【健康】と考えられています。

(※理想的な健康については、以下をご参照下さい)

理想的な健康を追求する方法として、【伝統的なヨーガ】が非常に有効な介入方法となります。【伝統的ヨーガ】には、上記の健康を満たすために必要な方法が含まれ、【健康】を得た状態からさらに先に進む方向性や【理想像】/【人生の目的】までも含まれている究極の【ヘルスプロモーション】です。これらの意味からも【ヨーガ】=生き方と考えることができます。また以下に非常に重要な言葉があります。

(※人生の目的については、以下をご参照下さい)

「ヨーガは人生の道である。それはあなたを変える。ゆえに、あなたの他者へのかかわり方を変え、あなたを取り巻く環境に影響を与える」

ヴァンダ・スカラヴェリ 

今回は、社会的健康に対して、【ヨーガ】がなぜ効果的な介入となるかを考えていきます。

生産性が高い=有能/幸福なのか

人が生きていく中で、社会は切り離すことのできません。普段、私たちは社会の中でそれぞれの役割を担い、その役割を果たしながら生活しています。会社、地域や家庭の中でも様々な異なる役割があります。そして、現代社会では至る所に争いがあります。特にお金が絡む環境において、様々な価値観をもった人が協働している為、摩擦が生じ、悩みが生まれてきます。人間の悩みのほとんどは、【対人関係】によって生じてくるものです。

会社内での人の評価は、以下のようになされています。

  • 業績
  • 個人の営業利益
  • 同期よりも優っている/劣っている

幸福】=【お金】という偏った価値観が当たり前と勘違いしている為に、上記の評価基準を満たしていることが、多くの【お金】を得ることが【幸福】であるという偏ったロジックが成り立ってしまいます。

地域社会でも、以下のような事柄で争いが生じる場合があります。

  • 隣の家よりも裕福である
  • 家庭円満
  • 年一回は家族旅行に行っている

現代社会は【生産性】が高ければ、有能や幸福だという【価値観】が根付いてしまっているので、如何に自分が優れているかという【他者比較】という競争が生まれています。相手との比較よりももっと大切なことがたくさんあることに人は気づきにくいのです。これらの競争は、現代に生まれてきたわけではなく、大昔から同様な争いは認められていました。

(※5000年前と現代社会との共通点については、以下をご参照下さい)

幸福はどこに

「幸福はどこにあるのか?」という問いに答えることは難しいのですが、人間の【感覚器官】の対象物に幸福がないのは確かです。医療の中では【QOL】という、「その人らしさ」を重視した治療が行われています。【お金】も人によって必要額は異なります。しかし、必要額を考えずに盲目的に求める人が目立ち、「その人らしさ」を失った「生きながら死んでいる」と例えられる人たちがたくさんいます。

では、なぜ闇雲にお金を求めるのでしょうか?

それは【人生の目的】が不明確なことで不安となり、【お金】も目的を達成する【手段】であることに気づいていないからではないでしょうか。

(※QOLに影響する要因については、以下をご参照下さい)

他者と比較する

他者比較】することは、優劣や勝敗などの二極の対立する意識レベルで行う行為です。この【意識レベル】では、誰も【幸福】になることはありません。不純な意識状態に気づきを得てはじめてこの【意識モード】から離れることができます。この気づきを得る方法として近年では【マインドフルネス】、伝統的ヨーガでは【客観視】と呼ばれている方法があります。

(※不純な意識と究極の意識については、以下をご参照下さい)

(※マインドフルネスについては、以下をご参照下さい)

他者比較】するために意思を他者に向けるのですが、そうではなくまず自分の心に意識を向けて観察し、心身をコントロールしていくことが大切です。それこそ冒頭に書いた、「ヨーガとは人生の道であり、その道に従うことで、自分自身が変わる」ということです。【思考】や【行為】が変われば、他者への関わり方に変化が現れます。

(※【思考】や【行為】は行動の中身である。詳細は以下をご参照下さい)

他者との関わり方が変化すると、相手が変化することもあるし、変化しないかもしれません。他者が変わることを期待して、自らの行動を変化させることは危険です。他者の変化という【結果】を【動機】とせずにまず自分らしい関わり方に努めることが【カルマ・ヨーガ】においてもすすめられます。たとえ周囲に悪く言われようが、自分が良いと思う行動はするべきだということです。そしてこの態度を継続していくことで、取り巻く周囲の環境が変化しますし、自分が意識できる範囲が広がることによって、自分が見る世界が広がり、様々な考え方を得ることができるようになります。

よって、社会的な健康を考えた時にも心身のコントロールしていくことが重要となります。

非常に勇気のもらえる言葉、【マザーテレサ】も引用したとされる【逆説の十カ条】という言葉があります。

逆説の十カ条|ケント・M・キース

~あなたの中の最良のものを~

人は不合理、非論理、利己的です

気にすることなく、人を愛しなさい

あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう

気にすることなく、善を行いなさい

目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう

気にすることなく、やり遂げなさい

善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう

気にすることなく、し続けなさい

あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう

気にすることなく、正直で誠実であり続けなさい

あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう

気にすることなく、作り続けなさい

助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう

気にすることなく、助け続けなさい

あなたの中の最良のものを、この世界に与え続けなさい

たとえそれが十分でなくても気にすることなく、最良のものをこの世界に与え続けなさい

最後に振り返ると、あなたにもわかるはずです

あなたと他の人の間のことであったことは一度もなかったのです

この世は心の合わせ鏡

私たちが生きているこの世は、自身の【心の合わせ鏡】であると言われています。

  • 自分の心が意識する範囲が狭ければ、その世界は狭く
  • 心が意識する世界が広がり、制御できるようになれば、意識化範囲の拡大する

【意識化範囲】の拡大といわれると理解しづらいですが、自分の視点だけの狭い、自己中心的な解釈ではなく、より社会全体や【真理】に近い【智慧】をもった状態で周囲を観察して、平等な観点で生活することができるということです。

プラーナーヤーマ】を通して肉体だけでなく、呼吸、さらに内なる自己の心の働きも意識できるようになるとヨーガでは考えられています。自分の感覚を意識化することで、自身への【気づき】を多く得ることができます。ラーナーヤーマは実習中のみならず、日常生活上においても呼吸を通して無自覚行動時のフィードバックを得ることができるようになります。

意識化範囲の拡大|ヨーガによって高められる

自己を知ることで、自分の置かれている周囲の環境、他者の理解にも繋がります。誰で他者を理解する時には必ず自分というフィルターを通して理解することになります。そのフィルターに曇りや偏りがあれば、そのまま自分がもつ【他者イメージ】となります。よって、他者や社会を理解するにも自己理解/自分の【執着】や【こだわり】を理解していなければ正しい理解をすることは困難ということです。

ヨーガの1側面として、自己と神との調和を目標とする考え方があります。これは宗教的なことではなく、世界全体としての宇宙=神/【普遍的な智慧】と自己との【調和】を目指すことを意味しています。つまり、【自己理解】は欠かすことができないということです。

筆者の体験

自分自身の過去のことを思い出してみると、自分の考え方の狭さを思い出しました。幼少期から人と関わることが苦手で交友関係もごく限られた環境でしか生活していませんでした。人に意見することや意見されることがとても苦手でした。自分の中にうまく受け入れられない体験が多く、他者の感情もうまく処理できなかった体験を思い出します。

ヨーガ】では、常に内観が促されます。自分自身を探っていくのは辛く、拒否したくなる時もあります。自分が如何に偏った解釈で他者を判断しているかを少しずつ理解し、自分勝手に他者を決めつけているかということに気づく体験が幾度もありました。【気付き】が増える度に、他者に対しての関心が増え、周囲との交流が増えたことに気づきました。【内観】においても体験に気づきを得れば、言語化が求められます。この言語化によって、体験を【経験】または、【智慧】に変えることができます。

筆者の体験②|阿吽の重要性

人の意見に反射的に抵抗するのではなく、まず何事にも【Yes】と受容することで、まず会話という【行為】が自分の中で非常に重要であったことを覚えています。周囲との交流が増えると、他人からの評価も変化していることも知りました。他人の評価を気にすることはよくないのかもしれませんが、どんな意見も聞き入れている自分の変化も感じました。

そのひとつが、まず自分の中にYesといって、落とし込んでから考える事です。【意識化範囲】の拡大には、まず内観し、自分がどういう状態にあるのかを【客観視】しなければなりません。自分の【現在地】を知ることが重要ということです。評価や検査をせずに「どのように治療をしようか?」と考える人がいないのと同じで、まず自分自身を知り、ついつい隠したくな弱さをも隠さずに向かい合う【勇気】を与えてくれたのも【ヨーガの智慧】と確信しています。

  • 自己を知ることを通してしか、他者を知ることはできない
  • そして、世の中を知ることができる

私にとって、まず自分自身を知ることから始める大切さを教えてくれたのが、【ヨーガ】でした。現代のスピード社会の中では、見落とされがちな自分自身の【いまここ】に立ち止まる【勇気】を教えてくれるのがヨーガの効果だと実感しています。自分を知るためには、【思考】しなければいけません。その方法がヨーガの【瞑想】です。

(※ヨーガの瞑想法については、以下をご参照下さい)

上記の記事では【善き指導者】に出会うことの大切さも示しています。

ヨーガの重要な聖典【ヨーガ・スートラ】によると、【ヤマ】【ニヤマ】の順守は、【対社会次元の自己制御】と言われ、ヨーガの初段階の修行とも考えられています。

(※【ヤマ】については、以下をご参照下さい)

(※【ニヤマ】については、以下をご参照下さい)

社会的健康のためにヨーガの取り組み

科学技術の進歩により人々にもたらしたのは、【便利さ】だけではなく、新たな【ストレス】を生み出しました。時には命を救い、時には人々にお互いの命を奪わせる手段にもなっています。物事には【両義性】があり、幸/不幸は置いておくとして、現在の日本で心への関心が非常に高まっています

この要因は、慢性的なストレス下にさらされることにより、種々の病を生み出したことによります。代表例が【心身症】と呼ばれる、【心身相関】の乱れです。

(※心身症については、以下をご参照下さい)

実体験からも、医療従事者としての意見としてもヨーガ療法への期待は非常に高いと考えています。

身体的な分野に偏ったヨーガではなく、包括的に健康増進を図ることができる究極の【ヘルスプロモーション】が【ヨーガ】であると考えています。

(※ヘルスプロモーションについては、以下をご参照下さい)

【リハビリテーション】においても同様です。このままの【理学療法士】では、ヘルスプロモーションの主人公になること、ましてや専門である身体的な分野においても活躍することは難しいと考えています。現代のニーズを的確に捉え、伝統的な【智慧】だけではなく、現代社会でも実践できるように改良されたものが【ヨーガ療法】です。

(※ヨーガ療法については、以下をご参照下さい)

まとめ

  • 悩みの原因は、【対人関係】
  • 自己のフィルターを知らないと正しい対人関係は築けない
  • まず受け入れることの大切さを教えてくれたのは、ヨーガ(筆者体験談)
  • ヨーガが包括的な理想的な健康を実現できる唯一究極の手段
  • 【アシュタンガ・ヨーガ】のヤマ・ニヤマの実践は、対社会次元に必須な初段階